Netflix映画『レッド・ノーティス』
あらすじ・ネタバレ・感想
映画『レッド・ノーティス』のネタバレあらすじ&感想を紹介します。
狙うは、歴史から消えたはずの伝説の秘宝。
集いしは、FBIの敏腕捜査官と、世界を欺く2人の大泥棒。
敵と味方がめまぐるしく入れ替わる騙し合いの果てに、最後に笑うのは一体誰なのか?
Netflix映画『レッド・ノーティス』の内容が気になっている人は、ぜひ本記事を参考にしてください。
1.Netflix映画『レッド・ノーティス』の作品情報

タイトル | レッド・ノーティス (Red Notice) |
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監督 | ローソン・マーシャル・サーバー |
公開年 | 2021年 |
キャスト | ドウェイン・ジョンソン, ライアン・レイノルズ, ガル・ガドット 他 |
ジャンル | アクション |
2.Netflix映画『レッド・ノーティス』のあらすじ
物語は、ローマのサンタンジェロ城博物館から始まる。
古代ローマの将軍マルクス・アントニウスが、エジプトの女王クレオパトラに贈ったとされる3つの秘宝「クレオパトラの卵」。
そのうちの1つが展示されているこの博物館に、インターポールの凄腕プロファイラーであるジョン・ハートリー捜査官(ドウェイン・ジョンソン)が現れる。
彼の目的は、世界最高の美術品泥棒ノーラン・ブース(ライアン・レイノルズ)による窃盗を阻止することだった。
ハートリーはブースの犯行を予測し、一度は卵の確保に成功するかに見えた。
しかし、その場に現れたもう一人の凄腕泥棒「ビショップ」(ガル・ガドット)の策略により、卵は奪われ、さらにハートリーはブースと共犯の濡れ衣を着せられてしまう。
結果、ハートリーとブースは、人里離れたロシアの刑務所に収監されるという最悪の事態に。
潔白を証明したいハートリーと、ビショップに一杯食わされたことに腹を立てるブース。
目的は違えど「ビショップを捕まえる」という共通の利害を持った二人は、呉越同舟の即席タッグを組むことを決意する。
残る2つの卵のありかを知るブースと、プロファイラーとしての知識と屈強な肉体を持つハートリー。
彼らはビショップを出し抜き、3つの卵をすべて手に入れることができるのか。
ローマ、バリ、ロシア、バレンシア、そして南米のジャングルへ。
世界を股にかけた、予測不能な宝探しが今、幕を開ける。
3.主要な登場人物とキャスト
- ジョン・ハートリー役:ドウェイン・ジョンソン
インターポールの凄腕プロファイラーでありながら、その巨体を生かした肉弾戦を得意とする捜査官。真面目で正義感に溢れるが、どこか抜けている一面も持つ。演じるのは、「ワイルド・スピード」シリーズや『ジュマンジ』シリーズでおなじみのドウェイン・ジョンソン。 - ノーラン・ブース役:ライアン・レイノルズ
世界最高の詐欺師であり、美術品泥棒。皮肉屋で、常に軽口を叩いているお調子者だが、その頭脳は超一流。演じるのは、『デッドプール』で唯一無二のキャラクターを確立したライアン・レイノルズ。 - サラ・ブラック/ビショップ役:ガル・ガドット
ハートリーとブースを翻弄する、謎に包まれた美しき大泥棒。その正体や目的は一切不明だが、その手腕はブースを凌駕する。演じるのは、『ワンダーウーマン』で世界的なスターとなったガル・ガドット。
この3人が画面の中で暴れ回るだけでも、観る価値は十分にあるだろう。監督は、ドウェイン・ジョンソンと『セントラル・インテリジェンス』や『スカイスクレイパー』でもタッグを組んだローソン・マーシャル・サーバーが務めている。
4.NetFlix映画『レッド・ノーティス』のネタバレ
※ここからは映画の核心に触れるネタバレを含みます。
物語は、ハートリーとブースが協力し、ビショップことサラ・ブラックと熾烈な卵の争奪戦を繰り広げる、という構図で進んでいく。
最後の卵が隠されている南米のジャングルで、3人は激しいカーチェイスの末、ついに3つの卵を揃える。
しかし、その時、驚愕の事実が明かされる。
ハートリーとサラは、実は恋人同士であり、二人で協力して活動する泥棒チーム「ビショップ」だったのである。
インターポールの敏腕プロファイラージョン・ハートリーという身分も、ブースに近づくための偽りの姿だったのだ。
彼らの真の目的は、ブースが知る3つ目の卵のありかを聞き出し、全ての卵を独り占めすること。
つまり、ブースは最初から最後まで、ハートリーとサラの掌の上で踊らされていたに過ぎなかった。
このどんでん返しは、それまでのハートリーの真面目なキャラクター像を根底から覆すものであり、観客はブースと同じように見事に騙されることになるだろう。
ハートリーとサラはまんまと3つの卵を手に入れ、エジプトの富豪に高値で売りさばき、祝杯をあげる。
祝杯から6か月後、彼らはイタリアの島で優雅に過ごしていた。
しかし、そこに現れたのは、出し抜かれたはずのブースだった。
彼はインターポールにハートリーたちの秘密口座の情報を流し、全財産を凍結させていたのだ。
そして、金も自由も失った二人に、新たな「3人でのヤマ」を持ちかける。
そのターゲットは、パリのルーブル美術館。
かくして、敵対していたはずの3人は、新たな目的のために奇妙なチームを結成することになる。
続編への布石を完璧に残し、物語は幕を閉じる。
王道の冒険活劇に、ツイストの効いた結末を用意することで、観終わった後の満足感をより一層高めているのだ。
5.Netflix映画『レッド・ノーティス』の補足情報
タイトルの意味
「レッドノーティス」とは、国際刑事警察機構(ICPO、通称インターポール)が発行する国際手配書の一種で、最も警戒レベルが高い「赤手配書」を指す。
被疑者の身柄を拘束し、引き渡しを求める効力を持つもので、まさに世界を股にかける大泥棒を追う本作にふさわしいタイトルと言える。
Netflix史上最高額の製作費
本作の製作費は、約2億ドル(当時のレートで220億円以上)と言われており、これはNetflixオリジナル映画としては史上最高額クラスである。
当初、本作はユニバーサル・ピクチャーズで企画が進んでいたが、高騰する製作費とスター俳優3人の多額のギャラを前に、ユニバーサルが難色を示した。
そこで、Netflixが配給権を買い取り、このビッグプロジェクトが実現したという経緯がある。
この巨額の投資が、世界各地でのロケや派手なアクションシーンを可能にしたのだ。
コロナ禍での撮影
撮影は2020年初頭に開始されたが、すぐに新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われ、約半年間の中断を余儀なくされた。
撮影再開後は、キャストとスタッフを隔離環境に置く「バブル方式」が採用され、厳格な感染対策のもとで撮影が進められた。
ドウェイン・ジョンソンは自身のSNSで、この困難な状況を乗り越えてくれたスタッフへの感謝を度々表明している。
ライアン・レイノルズのアドリブ地獄
劇中でのノーラン・ブースのセリフの多くは、ライアン・レイノルズのアドリブによるものだという。
監督のローソン・マーシャル・サーバーは、彼に1テイクごとに10パターンの異なるアドリブを要求することもあったとか。
ドウェイン・ジョンソンは、笑いをこらえるのに必死で、NGを連発してしまったと語っている。
二人の軽妙なやり取りは、こうした現場の雰囲気から生まれているのだ。
記録的な大ヒットと続編
配信が開始されるやいなや、『レッドノーティス』はNetflixの視聴記録を次々と更新。
配信後28日間の総視聴時間で、当時の歴代1位を記録する大ヒットとなった。
この成功を受け、Netflixは早々に続編2本の製作を決定。ドウェイン・ジョンソン、ライアン・レイノルズ、ガル・ガドットの3人も続投予定で、ラストシーンで示唆された「3人での新たな仕事」が描かれることになるだろう。
6.Netflix映画『レッド・ノーティス』の感想
頭を空っぽにして楽しめる、極上のエンターテインメント
『レッドノーティス』は、映画史に残るような革新的な作品かと問われれば、答えは「ノー」かもしれない。
ストーリーには『インディ・ジョーンズ』や『オーシャンズ』シリーズといった、過去の名作へのオマージュが散り見られ、展開にも既視感を覚える部分は確かにある。
しかし、本作の真価はそこにはない。
この映画は、ドウェイン・ジョンソンの圧倒的なパワー、ライアン・レイノルズのウィットに富んだユーモア、そしてガル・ガドットの息をのむほどの美しさと強さ、この3つの才能がぶつかり合うことで生まれる「化学反応」を最大限に楽しむための、いわば「お祭り映画」なのだ。
ただし、その結末については手放しで褒めるわけにはいかない。
人によっては「ご都合主義でひどい」と感じても無理はないだろう。
それまで真面目な捜査官として感情移入させておいたハートリーが、実は全てを仕組んでいた黒幕だったという展開は、鮮やかなどんでん返しと見るか、観客への裏切りと見るかで評価が真っ二つに割れる。
さらに言えば、出し抜かれたはずのブースが、いとも簡単に二人の居場所と秘密口座を突き止めて現れる展開は、あまりにも脚本の都合が良すぎると言わざるを得ない。
それまでの命がけの攻防が茶番に見えてしまうほどの「何でもあり」感と、あからさまな続編への布石。
「作品単体としての完成度」を重視する観客からすれば、この結末は物語の緊張感を著しく削ぐものであり、安っぽく感じられても仕方がない。
だが、見方を変えれば、その「何でもあり」感と軽薄さこそが、本作の持ち味なのかもしれない。
小難しい理屈は一切不要。
テンポの良いストーリー展開と、世界中を旅しているかのようなロケーション、そして豪華キャストが繰り広げるコミカルな掛け合いとド派手なアクションに身を任せていれば、2時間があっという間に過ぎていく。
結末の粗さすら「まあ、お祭り映画だから」と笑って許せるかどうかが、この作品を心から楽しめるかどうかの分水嶺となりそうだ。
忙しい日常を忘れ、何も考えずにスカッとしたい。
そんな時に、これほど最適な作品はないかもしれない。
『レッドノーティス』は、映画が持つ純粋な「楽しさ」と、時に感じる「それでいいのか?」というツッコミどころを同時に提供してくれる、ある意味で非常に現代的なエンターテインメント大作である。
続編で、あの3人がどんな大騒動を巻き起こしてくれるのか、良くも悪くも楽しみでならない。
まとめ
さて、ここまでNetflix映画『レッド・ノーティス』について、あらすじからキャストの魅力、衝撃のネタバレ、そして製作の裏側まで、様々な角度から掘り下げてきた。
結論として、本作はまさに「スターの、スターによる、スターのための」究極のお祭り映画である。
物語の深い考察や緻密なプロットを求める観客には、物足りなさや結末への不満が残るかもしれない。
そのストーリーの粗さやご都合主義的な展開は、確かに本作の弱点と言えるだろう。
しかし、この映画の真価はそこにはない。
ドウェイン・ジョンソンの頼もしさ、ライアン・レイノルズの軽妙洒脱なトーク、ガル・ガドットの圧倒的な美貌とアクション。
この3人の魅力がスクリーン上で炸裂する様を、頭を空っぽにして楽しむことこそが、『レッド・ノーティス』の正しい鑑賞法だ。