映画『オブリビオン』
あらすじ・ネタバレ・感想
2077年、エイリアン「スカヴ」の侵略により地球は荒廃し、人類の大半は土星の衛星タイタンへの移住を余儀なくされていた。
地球に残ったのは、無人偵察機の監視と修理を行うジャックと、通信担当のヴィクトリアの二人だけであった。
2013年に公開されたオブリビオンは、トロン:レガシーのジョセフ・コシンスキー監督が、圧倒的な映像美で描くSFミステリー超大作である。
任務完了まであと2週間。
平穏な日々を送っていたジャックだったが、謎の宇宙船の墜落現場で一人の女性を救出したことから、彼の信じていた世界の全てが崩れ去っていく。
本記事では、あらすじからキャスト紹介、そして物語の核心に迫る完全ネタバレ解説まで、掘り下げていく。
1.映画『オブリビオン』の作品情報
| タイトル | オブリビオン (Oblivion) |
|---|---|
| 監督 | ジョセフ・コシンスキー |
| 公開年 | 2013年 |
| キャスト | トム・クルーズ, モーガン・フリーマン, オルガ・キュリレンコ, アンドレア・ライズボロー 他 |
| ジャンル | SF, アクション, ミステリー |
2.映画『オブリビオン』のあらすじ
西暦2077年。60年前のエイリアン、スカヴとの戦争で、人類は勝利したものの、地球は放射能汚染と環境破壊により居住不可能となっていた。
生き残った人類は、宇宙ステーション、テットを経由して、土星の衛星タイタンへと移住していた。
地球に残っているのは、海水をエネルギーに変えるプラントの警備ドローンを修理する技術者ジャック・ハーパーと、彼のパートナーで通信担当のヴィクトリアのみ。
二人は上空のスカイタワーで暮らし、任務完了の時を待っていた。
機密保持のために記憶を消されているジャックだったが、毎夜、会ったこともない女性とエンパイア・ステート・ビルで過ごす夢を見ていた。
ある日、未確認の宇宙船が墜落し、ジャックは現場へ向かう。
そこで彼は、夢に出てくる女性そっくりのジュリアを冬眠ポッドから救出する。
しかし、ドローンたちはなぜか生存者を攻撃し始め、ジャックは疑念を抱き始める。
3.主要な登場人物とキャスト
- ジャック・ハーパー(演:トム・クルーズ)
ドローン修理官。記憶を消されているが、地球への愛着と断片的な過去の夢に悩まされている。好奇心旺盛で、規則を破って地上の植物を育てたりしている。
- マルコム・ビーチ(演:モーガン・フリーマン)
地球に残るエイリアン、スカヴのリーダーと思われていたが、実は地下に潜伏する人類抵抗軍の指導者。ジャックに真実を告げる。
- ジュリア・ルサコヴァ(演:オルガ・キュリレンコ)
墜落した宇宙船の冬眠ポッドで眠っていた女性。ジャックの夢に出てくる女性であり、彼の過去の鍵を握る人物。
- ヴィクトリア(ヴィカ)・オルセン(演:アンドレア・ライズボロー)
ジャックのパートナー。規則を遵守し、テットへの帰還を心待ちにしている。ジャックとは恋人関係にあるが、ジュリアの出現により動揺する。
- サリー(演:メリッサ・レオ)
テットの司令官。モニター越しにジャックとヴィクトリアに指示を出す。「チームワークは完璧?」が口癖。
4.映画『オブリビオン』のネタバレ
※ここからは物語の核心に触れるネタバレを含みます。
・衝撃の真実
ジャックはスカヴに捕らえられるが、彼らはエイリアンではなく、生き残った人類だった。
リーダーのビーチは、ジャックに放射能汚染区域へ行くよう促す。
そこでジャックが見たものは、自分と全く同じ顔、同じ声を持つテック52という別のジャックだった。
彼もまた、別のヴィクトリアと共に別のエリアを担当していたのだ。
・クローンの悲劇
ジャックとヴィクトリアは、侵略者であるテットが作り出した何千ものクローンだった。
オリジナルは60年前の宇宙飛行士であり、テットに捕獲され、地球侵略の兵器として利用されていたのだ。
ジュリアはオリジナルのジャックの妻であり、60年前、彼によって宇宙船ごと軌道上に射出され、コールドスリープ状態で生き延びていた。
・テットへの反逆
真実を知ったジャックは、人類側につくことを決意する。
しかし、ヴィクトリアは真実を受け入れられずテットに通報し、ドローンによって殺害される。
ジャックとジュリアはドローンの追撃をかわし、かつて二人が夢見た湖畔の家で愛を確認し合う。
・自己犠牲と勝利
ビーチの計画は、捕獲したドローンに核爆弾を積んでテットの内部で爆発させることだったが、ドローンが損傷してしまう。
ジャックは自らが爆弾と共にテットへ向かうことを決意する。
彼はジュリアを冬眠ポッドに入れ、テットの内部へ侵入。
しかし、ポッドに入っていたのはジュリアではなく、重傷を負い死期を悟ったビーチだった。
ジャックとビーチは、「人類は死なない」と言い放ち、テットの中枢であるサリーと共に自爆する。
・エピローグ
テットは崩壊し、ドローンは停止。人類は勝利した。
3年後、湖畔の家で娘と暮らすジュリアの元に、生き残った人類たちが現れる。
その中には、かつてテック49と遭遇し、戦い、そして記憶を取り戻したテック52のジャックの姿があった。
5.映画『オブリビオン』の補足情報
監督自身のグラフィックノベルが原作
本作は、ジョセフ・コシンスキー監督が執筆した未完の同名グラフィックノベルを原作としている。
彼はこの企画を長年温めており、トム・クルーズがその世界観に惚れ込んで主演を熱望したことで映画化が実現した。
リアルなセットと撮影
CG全盛の時代だったが、コシンスキー監督は実写にこだわった。
スカイタワーのセットの窓外には、ハワイのハレアカラ火山の山頂で撮影した雲海や空の映像をプロジェクションマッピングで投影し、ブルーバックを使わずに撮影することで、自然な光の反射や演者の没入感を生み出した。
M83による音楽
音楽を担当したのはフランスのエレクトロニックバンド、M83。
彼らの幻想的で壮大なシンセサイザー・サウンドは、美しくも寂しい未来の地球の風景と完璧にマッチし、映画の雰囲気を決定づけている。
6.映画『オブリビオン』の感想
とにかく映像が美しい映画だった。
荒廃しているはずの地球の風景、雲の上に浮かぶスカイタワーのミニマルなデザイン、そしてバブルシップの造形。
すべてが洗練されており、SF映画史に残るビジュアルアートと言っても過言ではないと思った。
ストーリーは記憶とアイデンティティを巡るミステリーとしてよくまとまっていた印象だ。
自分が何者なのか、敵は誰なのか。
真実が明かされた時の衝撃と、そこからのカタルシスは見事だった。
クローンという悲劇的な運命を背負いながらも、愛する人のために自己を犠牲にするジャックの姿には胸を打たれた。
ラストシーンについては賛否が分かれるかもしれない。
別の個体が戻ってくることをハッピーエンドと捉えるか、それとも切ない代償と捉えるか。
しかし、記憶が魂を形作るのであれば、彼は間違いなくジャックなのだと思わせてくれる余韻がある。
まとめ
本記事では、映画『オブリビオン』を、あらすじからネタバレ、トリビアに至るまで徹底的に解説してきた。
この映画は、スタイリッシュな映像と音楽、そして普遍的な愛の物語が融合した物語だった。
廃墟となった地球で、男は何を見つけ、何のために戦ったのか。その真実を忘却(オブリビオン)してはならない。