「竹取物語」を大胆に再構築したアニメ映画『超かぐや姫!』
あらすじ・ネタバレ・感想
日本最古の物語、竹取物語を、近未来の仮想空間と音楽を融合させて大胆にアレンジ。
2026年1月22日よりNetflixで世界独占配信が開始された話題のアニメーション映画超かぐや姫!
監督はポケモンシリーズのMVなどで知られる気鋭のクリエイター・山下清悟。
ゲーミング電柱から生まれたかぐや姫と、音楽の夢を諦めかけていた女子高生・彩葉が出会い、仮想空間ツクヨミを舞台に旋風を巻き起こす。
HoneyWorksやryoなど豪華ボカロPによる楽曲提供も話題の本作。
果たしてかぐやは月に帰ってしまうのか? それとも……?
1.映画『超かぐや姫!』の作品情報
| タイトル | 超かぐや姫! (Cosmic Princess Kaguya!) |
|---|---|
| 監督 | 山下清悟 |
| 配信開始日 | 2026年1月22日 |
| キャスト | 夏吉ゆうこ, 永瀬アンナ, 早見沙織, 入野自由 他 |
| ジャンル | SF, アニメ, 音楽, 青春 |
2.映画『超かぐや姫!』のあらすじ
今より少し先の未来。都内の進学校に通う女子高生・酒寄彩葉は、学業とバイトに追われる多忙な日々を送っていた。
かつては音楽でプロを目指していたが、今は現実の重圧に押しつぶされ、仮想空間ツクヨミで大人気AIライバー・月見ヤチヨの配信を見ることだけが癒やしだった。
ある日、彩葉は道端で七色に光るゲーミング電柱の中から、一人の赤ん坊を見つける。
驚く間もなく、赤ん坊は急速に成長し、天真爛漫な少女へと姿を変える。
月から家出してきちゃった!と語る自由奔放なかぐやに振り回される彩葉。
かぐやは彩葉の隠していたキーボードと曲を見つけ出し、一緒にツクヨミで一番になろう!と提案する。
かぐやの歌声と彩葉の楽曲。二人の挑戦は、やがて世界中を巻き込む大きな渦となっていく。
3.主要な登場人物とキャスト
- かぐや(演:夏吉ゆうこ)
月から地球へ家出してきたかぐや姫。驚異的な成長速度と学習能力を持つ。ワガママで破天荒だが、その歌声には人の心を動かす不思議な力がある。
- 酒寄彩葉(演:永瀬アンナ)
現実主義の女子高生。過去の挫折から音楽を封印していたが、かぐやに巻き込まれる形でプロデューサー、イロPとして活動を再開する。
- 月見ヤチヨ(演:早見沙織)
仮想空間ツクヨミの絶対的カリスマにして管理人。AIであるがゆえに完璧な存在。かぐやたちの前に立ちはだかる壁であり、憧れの存在。
4.映画『超かぐや姫!』のネタバレ
※ここからは物語の核心に触れるネタバレを含みます。
・ツクヨミでの快進撃
かぐやの圧倒的なパフォーマンスと彩葉の楽曲は、ツクヨミ内で瞬く間に話題となり、ランキングを駆け上がる。
二人はコンビとして絆を深め、彩葉も音楽の楽しさを思い出していく。
しかし、かぐやを連れ戻そうとする月の使者の影が忍び寄っていた。それは、ツクヨミのシステムそのものをハッキングする強力な干渉だった。
・月への帰還と不時着
月の使者に抵抗するが、
かぐやは月に連れ戻される。
しかし、彩葉の歌声が月まで届き、かぐやは再び地球へ向かおうと試みる。
その途中、宇宙船が隕石に衝突し、時空の歪みに飲み込まれてしまう。
かぐやが不時着したのは、文明がまだ存在しない8000年前の地球だった。
・8000年の孤独と「ツクヨミ」の誕生
元の時代に戻る術を失ったかぐやは、不老不死の体で長い時を生きることになる。
彼女は人々を助け、文明の発展を見守りながら、いつか生まれてくる彩葉に会うための場所を作り続けた。
それこそが、仮想空間ツクヨミであり、かぐや自身がその管理人月見ヤチヨとなって彩葉を待ち続けていたのだ。
・ヤチヨの正体と再会
現代の彩葉は、ヤチヨの正体がかぐやであることを知る。
二人は再び巡り会い、8000年越しの再会を果たす。
・本当のハッピーエンド
かぐや(ヤチヨ)と彩葉は、二人の歌で世界を包み込む。
エンディングでは、BUMP OF CHICKENの「ray」を二人がカバーし、長い旅路の果てに掴んだずっと一緒にいられる未来を祝福するように物語は幕を閉じる。
5.映画『超かぐや姫!』の補足情報
豪華ボカロPの参加
劇中歌には、HoneyWorks、ryo
(supercell)、kz(livetune)といった、インターネット音楽シーンを牽引してきた豪華クリエイター陣が参加している。
物語の展開に合わせて様々なジャンルの楽曲が披露され、音楽フェスのような高揚感を味わえる。
山下清悟監督の長編デビュー
ポケットモンスターシリーズのWebアニメやオープニング映像で、革新的なデジタル作画とカメラワークを見せた山下清悟監督の長編初監督作品。
アニメーション制作はスタジオコロリドとスタジオクロマトが共同で担当し、圧倒的な映像美を実現している。
エンディング曲「ray」
エンディングテーマには、BUMP OF
CHICKENと初音ミクのコラボで話題となった名曲rayのカバーが起用された。
人間とバーチャルシンガーの共演という楽曲のテーマが、本作のかぐやと彩葉の関係性に完璧にリンクしている。
6.映画『超かぐや姫!』の感想
とにかくエネルギー溢れる映画だった。
疾走感あるカメラワークやアクションシーンには圧倒された。
仮想空間ツクヨミのビジュアルは、サイバーパンクと和風ファンタジーが融合した極彩色で、見ているだけで快感があって楽しめる。
一方で、ストーリーのテンポについては意見が分かれるかもしれない。
前半ではかぐや姫の成長や二人の関係性がMVのようなダイジェスト形式で描かれるため、重厚な人間ドラマを期待すると、やや物足りなさを感じる可能性があるかもしれない。
その一方で、物語の核心である月の使者が現れるまで約1時間20分を要しており、展開の早急さと構成の長さが相まって、人によっては中だるみを感じてしまうかもしれない。
また、かぐやの初期のワガママな振る舞いに、少しイラッとする人もいるかもしれない。
しかし、この映画の最大の魅力は、古典の悲恋という結末を、現代の価値観とテクノロジーの力でハッピーエンドにねじ伏せた結末にある。
離れ離れになるのが運命なんてクソくらえ、と言わんばかりのラストライブはとても良かった。
早見沙織演じるヤチヨの圧倒的な歌唱力、そして彩葉とかぐやが歌う「ray」の歌詞が心に刺さる。
見終わった後、無性に何かを作りたくなる、誰かと繋がりたくなる、そんなポジティブなパワーに満ちた作品だった。
まとめ
本記事では、映画『超かぐや姫!』を、あらすじからネタバレ、トリビアに至るまで徹底的に解説してきた。
この映画は、古典文学へのリスペクトを持ちつつ、インターネット世代の感性で繋がりを再定義した作品であった。
月と地球、仮想と現実。すべての壁を超えた少女たちの歌声を、ぜひその目で、その耳で確かめてほしい。