~ゼメキス・キューブとは?~
映画『レディ・プレイヤー1』
あらすじ・ネタバレ・小ネタ解説

映画『レディ・プレイヤー1』のポスター。VRゴーグルをかけた主人公ウェイドと、背後に広がるオアシスの世界

画像引用元: IMDb

2045年、荒廃した現実世界に希望を見出せない人類は、理想の人生を楽しめるVR世界オアシスに救いを求めていた。
ある日、オアシスの創設者ジェームズ・ハリデーが遺言を残して世を去る。

オアシスに隠された3つの謎を解いた者に、全財産とオアシスの運営権を譲る

2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督のレディ・プレイヤー1は、80年代のポップカルチャーへの愛とリスペクトが詰まったSFアドベンチャー超大作である。

ガンダム、メカゴジラ、デロリアン、AKIRAのバイク。
日米の有名キャラクターたちが夢の共演を果たす仮想空間で、平凡な少年ウェイドが巨大企業IOIの陰謀に立ち向かう。

1.映画『レディ・プレイヤー1』の作品情報


VR空間オアシスで、デロリアンに乗ってレースに参加するパーシヴァル

画像引用元: IMDb

タイトル レディ・プレイヤー1
(Ready Player One)
監督 スティーヴン・スピルバーグ
公開年 2018年
キャスト タイ・シェリダン, オリヴィア・クック, ベン・メンデルソーン, マーク・ライランス 他
ジャンル SF, アクション, アドベンチャー

2.映画『レディ・プレイヤー1』のあらすじ


2045年、環境汚染と経済破綻により荒廃した世界。
オハイオ州コロンバスのスラム街に住む17歳のウェイド・ワッツは、VRワールド、オアシスに入り浸り、パーシヴァルというアバターで活動していた。

オアシスの創設者ジェームズ・ハリデーは、遺言でオアシス内に隠された3つの鍵を見つけ出した者に、5000億ドルの遺産とオアシスの全権を与えると宣言。
世界中のユーザーが血眼になって鍵を探す中、巨大企業IOI(イノベーティブ・オンライン・インダストリーズ)も組織力と軍事力を使ってオアシスの支配を目論んでいた。

最初の鍵の在り処となるレースゲームは、あまりの難易度に5年間誰もクリアできていなかった。
しかし、ウェイドはハリデーの過去の記録を分析し、ある攻略法に気づく。
彼はアルテミスや親友エイチたちと協力し、IOIの魔の手からオアシスを守るための壮大な争奪戦に挑む。

3.主要な登場人物とキャスト


  • ウェイド・ワッツ/パーシヴァル(演:タイ・シェリダン)

    アバターのパーシヴァル姿で、伝説の剣を見つめるウェイド

    画像引用元: IMDb

    主人公。両親を亡くし叔母の家で暮らすオタク少年。ハリデー年鑑を熟読し、誰よりも彼の思想を理解している。愛車はバック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアン。

  • サマンサ・クック/アルテミス(演:オリヴィア・クック)

    赤いバイク「金田のバイク」にまたがり、クールに決めるアルテミス

    画像引用元: IMDb

    「シクサー殺し」と呼ばれる凄腕のプレイヤー。IOIに父を殺された過去を持ち、レジスタンス活動をしている。アバターはAKIRAの金田のバイクに乗る。

  • ジェームズ・ハリデー/アノラック(演:マーク・ライランス)

    オアシスの創設者ハリデー。優しげだがどこか寂しげな表情

    画像引用元: IMDb

    オアシスの開発者。内向的で人付き合いが苦手だったが、80年代のポップカルチャーをこよなく愛した天才。死後、自身のアバター「アノラック」としてゲームを見守る。

  • ノーラン・ソレント(演:ベン・メンデルソーン)

    IOI社のCEOソレント。スーツ姿で冷徹な指示を出す

    画像引用元: IMDb

    巨大企業IOIのCEO。オアシスを独占し、課金制にして利益を得ようと企む。かつてハリデーの下で働いていたが、彼の思想を理解できず軽蔑している。

  • ヘレン/エイチ(演:リナ・ウェイス)

    ウェイドの親友。アバターは巨大なサイボーグの姿をしているが、現実は女性。アイアン・ジャイアントを制作・修理するメカニック。

  • トシロウ/ダイトウ(演:森崎ウィン)

    侍のアバターを使う日本人プレイヤー。瞑想を好み、武士道を重んじる。クライマックスでは驚きの変身を見せる。

4.映画『レディ・プレイヤー1』のネタバレ

※ここからは物語の核心に触れるネタバレを含みます。

・第一の鍵

キングコングが阻む死のレース。ウェイドはハリデーの言葉「アクセル全開でバックしろ」のヒントを解読し、スタート地点から全速力でバックすることで隠しルートを発見。見事1位となり、鍵を手に入れる。

・第二の鍵

ハリデーがかつてデートで行った映画、スタンリー・キューブリックの『シャイニング』の世界に入り込む。 ウェイドたちはホテルの亡霊たちの恐怖をかいくぐり、舞踏室でヒントとなる女性キーラを見つけ出し、鍵を獲得する。

・第三の鍵

最後の試練は、アタリ2600のゲーム「アドベンチャー」をプレイすること。 IOIの軍勢が城を取り囲む中、ウェイドはオアシス中のユーザーに呼びかけ、全軍でIOIに立ち向かう。
ソレントはメカゴジラを起動して暴れまわるが、ダイトウがガンダムに変身して応戦。アイアン・ジャイアントの犠牲もあり、ウェイドはゲーム機の前へたどり着く。
彼はゲームをクリアするのではなく、隠し要素を見つけ出し、最後の鍵を手にする。

・継承と決断

3つの鍵を揃えたウェイドの前にハリデーが現れ、オアシスの全権を譲渡する契約書を差し出す。 しかしウェイドは、それがかつてハリデーが親友モローを追い出した時と同じ過ちを犯させるテストだと見抜く。
契約を拒否したウェイドに対し、ハリデーは満足げに微笑み、本当のイースターエッグを渡す。

オアシスの所有者となったウェイドは、IOIの支配を排除し、仲間たちと共同で運営を行うことにする。
そして、「現実こそがリアルになれる唯一の場所」という教訓から、火曜日と木曜日はオアシスを休止し、現実世界での生活を大切にするルールを設けるのだった。

5.映画『レディ・プレイヤー1』の補足情報・小ネタ解説

「俺はガンダムで行く!」

クライマックスでダイトウが叫ぶ「俺はガンダムで行く!」は、日本のファンを熱狂させた。
登場するのは機動戦士ガンダムのRX-78-2 ガンダムだが、ポーズは機動戦士ガンダムZZのダブルゼータの合体ポーズをオマージュしていると言われている。
また、活動限界時間が短いという設定も、ウルトラマンの要素がミックスされている可能性がある。

権利関係

本作には版権元が異なる無数のキャラクターが登場する。
ワーナー・ブラザース作品(アイアン・ジャイアント、キングコング、バットマンなど)だけでなく、他社のキャラクター(ガンダム、春麗、ソニック、トレーサーなど)も多数出演。
スピルバーグ監督の交渉力と、作品へのリスペクトがあったからこそ実現した奇跡のクロスオーバーだ。
ただし、ウルトラマンは権利関係の問題が解決できず、登場が見送られた。

シャイニングの再現度

第2の試練で登場するシャイニングのオーバールック・ホテル。
実はこれ、キューブリックのオリジナル映像を流用しているのではなく、当時のセットの設計図を元にデジタルで完全再現し、そこにアバターたちを合成している。
双子の少女、エレベーターの血の洪水、237号室の老婆など、トラウマシーンが見事に蘇っている。

ゼメキス・キューブ

劇中に登場する重要なアイテムの一つにゼメキス・キューブがある。これはルービックキューブのような形状をしたアーティファクトで、使用すると周囲の時間を60秒間だけ巻き戻すことができるという強力な効果を持つ。
名前の由来は、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズの監督ロバート・ゼメキスから取られている。
ウェイドがこのキューブを使用するシーンでは、バック・トゥ・ザ・フューチャーのテーマ曲のフレーズがわずかに流れるという、心憎い演出が施されている。

スピルバーグ自身の作品は?

スピルバーグは自画自賛になるからと、自身の監督作品のキャラクターを出すことには消極的だった。
しかし、スタッフたちが説得し、またこっそりと忍び込ませたことで、ジュラシック・パークのT-レックスなどが登場している。
また、デロリアンはロバート・ゼメキス監督作品だが、スピルバーグが製作総指揮を務めているため、広い意味でのスピルバーグ関連とも言える。

隠れキャラがいろんなところに

背景や群衆シーンには、数え切れないほどのキャラクターが隠れている。

  • ハローキティ: 図書館のシーンなどでサンリオキャラクターが登場。

  • カウボーイビバップ: ソードフィッシュIIがガレージに置かれている。

  • AKIRA: アルテミスのバイクは金田のバイクだが、ステッカーなどがオリジナル仕様になっている。

  • チャッキー: チャイルド・プレイの殺人人形が武器として使用される。

  • ストリートファイター: リュウ、春麗、ブランカなどが随所に登場。特に波動拳はウェイドも使用する。

これらはほんの一部であり、一時停止して探す楽しみがある。

原作小説との違い

アーネスト・クラインの原作小説ゲームウォーズとは、試練の内容やキャラクターの設定が大きく変更されている。
原作ではダンジョンズ&ドラゴンズやウォー・ゲームなど、よりマニアックで静的な謎解きが多かったが、映画では視覚的に派手なレースやアクションに変更され、テンポ良く進むように構成されている。

まとめ

本記事では、映画『レディ・プレイヤー1』を、あらすじからネタバレ、まで解説してきた。

この映画は、80年代カルチャーへのリスペクト映画でありながら、VRと現実の関係性という現代的なテーマも描いている。

何度見返しても新しい発見がある、まさに宝探しのような映画体験を、ぜひ楽しんでほしい。