映画『ハンコック』
あらすじ・ネタバレ解説
2008年に公開された『ハンコック』は、ピーター・バーグ監督、ウィル・スミス主演で贈る、SFアクション・コメディである。
ロサンゼルスに住むジョン・ハンコックは、空を飛び、銃弾を跳ね返し、不老不死の肉体を持つ超人である。
しかし、彼は酒浸りで態度が悪く、事件を解決するたびに街のインフラを破壊してしまうため、市民からは嫌われ者として扱われていた。
ある日、踏切で列車に轢かれそうになっていたPRマンのレイを助けたことから、ハンコックの運命は大きく変わり始める。
1.映画『ハンコック』の作品情報
| タイトル | ハンコック (Hancock) |
|---|---|
| 監督 | ピーター・バーグ |
| 公開年 | 2008年 |
| キャスト | ウィル・スミス, シャーリーズ・セロン, ジェイソン・ベイトマン, エディ・マーサン, ジェイ・ヘッド 他 |
| ジャンル | アクション, コメディ, SF |
2.映画『ハンコック』のあらすじ
ロサンゼルスに住むジョン・ハンコックは、超人的なパワーを持ちながらもアルコール依存症で、自己中心的な行動ばかりをとっていた。
彼が事件を解決するたびに建物や道路が破壊されるため、市民は彼に感謝するどころか迷惑がっていた。
そんな彼に助けられたPR会社役員のレイ・エンブリーは、ハンコックのイメージ回復のためのコンサルティングを無償で引き受ける。
レイの妻であるメアリーはなぜかハンコックをひどく警戒するが、レイは彼を自宅に招き入れる。
レイの提案により、これまでの器物損壊などの罪を償うため、ハンコックは自ら刑務所に収監される。
ハンコックがいなくなった街では瞬く間に犯罪が増加し、ついに警察から彼へ出動要請が下る。
特注のレザースーツを着て銀行強盗の人質事件をスマートに解決したハンコックは、ついに真のヒーローとして市民から喝采を浴びるようになる。
しかし、彼がなぜ超人的な能力を持っているのか、過去の記憶が一切ない理由など、ハンコックのルーツに関する謎が次第に明らかになり、事態は思わぬ方向へ転がっていく。
3.主要な登場人物とキャスト
-
ジョン・ハンコック(演:ウィル・スミス)
主人公。不老不死で空を飛ぶ能力を持つが、記憶喪失であり、自分の生い立ちを知らない。孤独と自己嫌悪から酒に溺れていたが、レイの指導で正義のヒーローへと成長していく。
-
メアリー・エンブリー(演:シャーリーズ・セロン)
レイの美しく献身的な妻。夫がハンコックを家に招くことに難色を示し、彼に対して冷たい態度をとる。実は彼女もまた、ハンコックに関わる重大な秘密を隠し持っている。
-
レイ・エンブリー(演:ジェイソン・ベイトマン)
善良でお人好しなPRコンサルタント。ハンコックの本質的な優しさを信じ、彼のイメージを良くするために奔走する。ハンコックを愛されるヒーローに押し上げた立役者。
-
レッド(演:エディ・マーサン)
銀行強盗のリーダー。ハンコックによって右手を切断され、刑務所送りにされる。ハンコックに対する深い復讐心を抱き、仲間と共に脱獄して彼を執拗に付け狙う。
4.映画『ハンコック』のネタバレ
※ここからは物語の核心に触れる決定的なネタバレを含みます。
レイが不在の際、ハンコックはメアリーを問い詰める。
すると彼女はハンコックを壁ごと吹き飛ばす超絶的なパワーを見せる。
実はメアリーもハンコックと同族の超人であり、何千年も前から生きている彼の運命のつがいだったのだ。
同族の超人たちは歴史の中で次々と死に絶え、残ったのは彼ら二人だけだった。
彼らには運命の相手と近づくと、互いの能力を打ち消し合って普通の人間に近づき、傷つき老いていくという宿命があった。
愛し合って共に生きようとすればするほど、彼らは能力を失い、死の危険に晒されるのだ。
80年前のマイアミで二人が一緒にいた時、彼らは強盗に襲われた。
普通の人間に近づいていたハンコックはメアリーを守るために重傷を負い、そのショックで一切の記憶を失ってしまった。
メアリーは彼を不老不死の超人に戻して命を救うため、自分がそばにいてはいけないと悟り、彼のもとを去ってレイと結婚したのだった。
ハンコックとメアリーが近づいたことで二人は能力を失い始め、脱獄したレッドたちの襲撃によって銃弾を浴びてしまう。
病院に担ぎ込まれた二人だったが、メアリーは心肺停止の状態に陥る。
ハンコックは自分が彼女のそばにいる限り彼女は死んでしまうと気づき、銃弾を受けた重傷の身体を引きずり、力を振り絞って夜空へ飛び立つ。
彼が遠くへ離れていくにつれてメアリーの心拍は蘇り、彼女は命を取り留める。
その後、完全に能力を取り戻したハンコックはニューヨークの空を飛び、新たな街のヒーローとして生きる道を選ぶのだった。
5.映画『ハンコック』の補足情報・小ネタ解説
原案はダークなスリラーだった
本作のオリジナル脚本のタイトルは『Tonight, He Comes(今夜、彼がやって来る)』というもので、アルコール依存症のダークなスーパーヒーローを描いた非常にシリアスでR指定の暗い作品として構想されていた。最終的にコメディ要素を強めて現在の形に改稿された。
ウィル・スミスとシャーリーズ・セロンの共演
ウィル・スミスとシャーリーズ・セロンの共演は、2000年の映画『バガー・ヴァンスの伝説』以来、2度目となる。二人の息の合った演技と、激しい夫婦喧嘩のような超人同士のバトルシーンは映画の大きな見どころとなっている。
ワシのマークの記憶
映画の序盤や中盤で、ハンコックが病院のベッドのシーツやチケットに描かれたワシのマーク(鷲の絵)を見てフラッシュバックを起こすシーンがある。これは80年前のマイアミでメアリーと一緒にいた時に見ていた景色の一部であり、彼の失われた記憶の断片を象徴している。
ジェイソン・ベイトマンの絶妙なキャスティング
ハンコックを支えるレイを演じたジェイソン・ベイトマンは、どこまでも善人でポジティブなキャラクターを嫌味なく演じ切っている。超人二人という非現実的な存在の間を取り持つ、観客の視点となる最も重要な一般人としての役割を果たしている。
続編の構想
本作はその大ヒットにより、公開直後から続編の製作が何度も噂されてきた。ピーター・バーグ監督やウィル・スミスも続編への意欲を語っており、ハンコックやメアリー以外の超人の存在など、世界観をさらに広げるアイデアが検討されていると言われている。
まとめ
本記事では、映画『ハンコック』を、あらすじから詳細なネタバレ、トリビアに至るまで解説してきた。
嫌われ者のアンチ・ヒーローが真の正義に目覚める前半のコメディ展開から一転、愛する者のために自らを犠牲にする切ないロマンスへと移行する構成となっている。
結末を知った上でもう一度見直すと、メアリーの冷たい態度の裏にある深い愛が全く違った意味を持ってくる。ぜひ本編で体験してほしい。