映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』
あらすじ・ネタバレ徹底解説

映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』の画像

画像引用元: IMDb

2011年に公開された実写映画第3弾『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』は、シリーズ初の3Dカメラ撮影を導入し、都市の破壊描写が前作をさらに上回る凄まじいスケールへと進化した大ヒット作である。

1969年、アメリカのアポロ11号が月面着陸を果たした歴史的偉業。

しかし、その真の目的は、月の裏側に不時着したサイバトロン星の宇宙船アークの極秘調査であった。

時は流れ現代。

地球で人類と共闘していたオートボットたちは、チェルノブイリでの任務中に、ディセプティコンが探していたあるエンジンの部品を発見し、長年隠蔽されてきたアークの存在を知ることになる。

オプティマス・プライムたちは月へと向かい、アークの中で眠りについていたオートボットの先代司令官センチネル・プライムと、空間を繋ぐスペース・ブリッジを構成する柱を地球へと回収する。

一方、大学を卒業したものの就職活動に苦戦していたサム・ウィトウィッキーは、新しい恋人カーリーとの生活を始めていたが、再びオートボットとディセプティコンの、地球の存亡を懸けた巨大な陰謀に巻き込まれていくことになる。

1.映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』の作品情報

シカゴでの激戦

画像引用元: IMDb

タイトル トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
(Transformers: Dark of the Moon)
監督 マイケル・ベイ
公開年 2011年
キャスト シャイア・ラブーフ, ロージー・ハンティントン=ホワイトリー, ジョシュ・デュアメル, ジョン・タトゥーロ, パトリック・デンプシー 他
ジャンル SF, アクション, アドベンチャー

2.映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』のあらすじ

アポロ11号が月に到着した裏で、アメリカとソ連の宇宙開発競争は、月の裏側に墜落したサイバトロン星の宇宙船アークを先に調査するためのものだった。

現代、その事実をアメリカ政府がひた隠しにしていたことに憤るオプティマス・プライムは自ら月へ飛び、アークの中で休眠状態にあった先代司令官センチネル・プライムと、物質を瞬間移動させるスペース・ブリッジの柱を地球へ回収し、マトリックスの力で彼を目覚めさせる。

一方、大学を卒業したサムは、新しい恋人カーリーの支えを受けながらやっとのことで就職する。

しかし、彼の周囲でアークの秘密を知る元宇宙飛行士やロシアの宇宙開発関係者が次々とディセプティコンに暗殺される事件が発生。

サムは旧友のシモンズらと共に真相を探るが、カーリーの勤め先の社長であるディラン・グールドが、ディセプティコンに内通している裏切り者であることが発覚する。

そして、地球に回収されたセンチネル・プライムもまた、サイバトロン星を復興させるという目的のためにメガトロンと密約を交わしていた裏切り者だったのだ。

センチネルの手によって無数のディセプティコンが地球へと転送され、シカゴの街は瞬く間に占拠されてしまう。

3.主要な登場人物とキャスト

4.映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』のネタバレ

※ここからは物語の核心に触れる決定的なネタバレを含みます。

地球に回収されたセンチネル・プライムは、本性を現しアイアンハイドを背後から無惨に射殺する。

センチネルはメガトロンたちと合流し、スペース・ブリッジの柱を世界中に配置。

地球人を奴隷として酷使し、サイバトロン星を地球の軌道上へ丸ごと転送するという恐るべき計画を実行に移す。

圧倒的な戦力を前にアメリカ政府は屈し、オートボットたちに地球からの退去命令を下す。

オートボットたちはロケットで地球を去ろうとするが、発射直後にスタースクリームの攻撃を受けて爆発。

彼らは死んだと思われたが、実は直前に切り離されたブースターに潜んでおり、密かに地球に留まっていた。

サムやレノックスたち人類の抵抗軍と合流したオートボットは、ディセプティコンによって要塞化されたシカゴの街へと突入する。

シカゴでは、無数の飛行型ディセプティコンや巨大な触手型機械兵器ドリラーが暴れ回り、街は壊滅状態にあった。

サムはバンブルビーたちと協力してスタースクリームを撃破し、さらにオプティマスがドリラーを両断する。

オプティマスとセンチネルの壮絶な師弟対決が始まるが、手負いとはいえ歴戦の勇士センチネルの力は凄まじく、オプティマスは右腕を切り落とされ追い詰められる。

一方、カーリーは路地裏で静観していたメガトロンに対し、「センチネルが支配者になれば、あなたはただの犬に成り下がる」と挑発。

プライドを逆撫でされたメガトロンはセンチネルを背後から急襲し、センチネルに重傷を負わせる。

「共に地球を支配しよう」と休戦を持ちかけるメガトロンだったが、オプティマスは「この星は一つだ」と拒絶し、メガトロンの首を引き抜いて殺害する。

そして命乞いをするセンチネルに対し、「あなたは自分自身を裏切ったのだ」と言い放ち、彼を処刑。

スペース・ブリッジは破壊され、サイバトロン星は崩壊して消え去った。

サムとカーリーは熱いくちづけを交わし、平和を取り戻すのだった。

5.補足情報:本作の魅力と小ネタ徹底解説

ミーガン・フォックスの降板とヒロイン交代の理由

前2作でミカエラ役を務め、絶大な人気を誇ったミーガン・フォックスだが、本作のクランクイン直前に突然降板が発表され、新ヒロインのカーリーに変更された。

原因は、ミーガンがイギリスの雑誌インタビューで、マイケル・ベイ監督の厳しい撮影手法を「まるでヒトラーのようだった」と批判したことである。

この発言がユダヤ系である製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグの逆鱗に触れ、即座に彼女の解雇が決定されたという裏話がある。(※後にマイケル・ベイ監督とミーガンは和解している)

アイアンハイドの衝撃的な死

1作目から活躍し、ファンからも絶大な人気を誇っていた武器のスペシャリスト・アイアンハイド。

本作の中盤、味方だと信じていたセンチネル・プライムに背後から腐食性の銃弾を撃ち込まれ、錆びて崩れ落ちるように死亡してしまう。

あまりにも唐突で残酷な退場劇は、公開当時多くのファンにトラウマを植え付けた。

センチネルの裏切りがいかに決定的な絶望であるかを観客に痛感させる、シリーズを通しても屈指のショッキングなシーンである。

現実の史実とリンクする陰謀論

本作のストーリーの巧みさは、アポロ計画やチェルノブイリ原発事故といった現実の歴史的事件を「実はトランスフォーマーが関わっていた」というSFの陰謀論に落とし込んだ点である。

映画の冒頭では、当時のケネディ大統領やニクソン大統領の実際の映像がコラージュして使用され、さらにアポロ11号の宇宙飛行士であったバズ・オルドリン本人がカメオ出演してオプティマスと対面するという胸熱な演出がなされている。

レナード・ニモイの起用とスポックのパロディ

センチネル・プライムの声を担当したレナード・ニモイは、『スタートレック』シリーズのミスター・スポック役で知られる伝説的俳優であり、マイケル・ベイ監督の親戚(義理の叔父)でもある。

劇中では、サムの相棒となる小型ロボット「ブレインズ」がスタートレックの話題を出したり、センチネル自身が「多数の要求は少数のそれに優先する」というスポックの有名な名台詞(『スタートレックII カーンの逆襲』より)を引用するなど、SFファンをニヤリとさせるオマージュが散りばめられている。

シカゴ市街戦の圧倒的なリアルアクション

後半の約40分間に及ぶシカゴの市街戦は、映画史に残るアクションの金字塔である。

CGだけでなく、実際にシカゴの街を封鎖して爆薬を仕掛け、スタントマンがヘリコプターからウィングスーツで滑空して高層ビルの間を縫うように飛び降りるという危険極まりない実写撮影が行われた。

3Dカメラの導入により、ガラスの破片や火の粉が観客に向かって飛び出してくるような臨場感を生み出し、マイケル・ベイの破壊美学の到達点と高く評価されている。

まとめ

本記事では、映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』を、あらすじから詳細なネタバレ、そして小ネタや製作の裏話に至るまで解説してきた。

当初「初期三部作の完結編」として作られた本作は、アポロ計画という壮大なスケールの歴史ミステリーから始まり、恩師の裏切り、そしてシカゴという大都市を文字通り破壊し尽くす圧倒的な戦争へと発展する。

主人公サムの成長と葛藤、そしてヒロイン交代の荒波を乗り越え、実写アクションの限界に挑んだ映像体験は、ロボット映画という枠を越えて純粋なパニック・アクションとしても見応え十分である。

アイアンハイドの死やオプティマスの冷酷ともいえる決断など、シリーズの中でも特にダークでシビアな展開が光る。未見の方はもちろん、一度観た方も、ぜひこの記事の小ネタを踏まえた上で、シカゴでの破壊を味わってほしい。