映画『ハリー・ポッター』シリーズ
原作にのみ存在する要素・違い 詳細まとめ
世界的な大ヒットを記録した映画版『ハリー・ポッター』シリーズですが、限られた上映時間の中では描ききれなかった原作小説のエピソードが数多く存在する。
本記事では、各巻ごとに映画と原作の決定的な違いや、キャラクターの深掘りとなる未描写シーンを徹底解説する。
1. 第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』
1.映画『ハリー・ポッターと賢者の石』の作品情報
| タイトル | ハリー・ポッターと賢者の石 (Harry Potter and the Sorcerer's Stone) |
|---|---|
| 監督 | クリス・コロンバス |
| 公開年 | 2001年 |
| キャスト | ダニエル・ラドクリフ, ルパート・グリント, エマ・ワトソン, アラン・リックマン 他 |
| ジャンル | ファンタジー, アドベンチャー, ファミリー |
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ダーズリー家の日常とバーノンおじさんの視点
物語の幕開けはハリーではなく、バーノンの平凡な1日から始まる。
彼は出勤中に地図を読むトラ猫(マクゴナガル)やエメラルド色のマントを着た変な人々を目撃する。
その中の一人(デダラス・ディグル)にハグされ、ポッターという言葉を耳にして激しく動揺する様子が、マグル社会と魔法界の対比として描かれている。
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ペチュニアとリリーの過去
映画では単なる嫌な叔母だが、原作では彼女の深いコンプレックスが描かれている。
子供の頃、魔法の才能を持つ妹リリーを羨んだペチュニアは、ダンブルドアに「私もホグワーツに入学させてほしい」と密かに手紙を書いて断られていた。
その激しい嫉妬と挫折感が、過剰な魔法嫌いへと変貌した悲しい経緯がある。
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逃亡生活の長さ
手紙の嵐から逃げるため、バーノンは車を無軌道に走らせ、みすぼらしいコークワースのホテルに宿泊したり、最終的に海上の岩礁に建つボロボロの小屋に行き着くなど、数日間にわたる狂気的な逃避行が描かれている。
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ダイアゴン横丁での出会い
マダム・マルキンの店で、ハリーは自分が誰か気づかれていない状態でマルフォイと会話する。
マルフォイが「ハッフルパフに組み分けされたら退学する」「マグル生まれは入学させるべきじゃない」と傲慢に語るのを聞き、ハリーは魔法界にも嫌な奴がいることを知る。
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ピーブズの存在
ホグワーツ開校時から棲みついているポルターガイストであるピーブズ。
チョークを投げつけたり、杖をへし折ろうとしたり、生徒の頭にゴミ箱を落としたりする。
唯一スリザリン寮監の血みどろ男爵を恐れており、彼には頭が上がらないそう。
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校歌斉唱
ダンブルドアが杖から金の糸を出して歌詞を空中に書き、全校生徒が自分の好きなメロディとテンポで歌うため、不協和音の極みになる。
最後まで歌っていたのは、葬送行進曲のテンポで歌った双子のフレッドとジョージだった。
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スネイプの薬のパズル
スネイプの授業では、前に進む薬(黒い炎を抜ける)、後ろに戻る薬(紫の炎を抜ける)、毒薬、イラクサ酒が混ざった7つの瓶から、羊皮紙に書かれた論理パズル(なぞなぞ)を解いて正しい瓶を選ぶ試練が存在する。
ハーマイオニーが「偉大な魔法使いでも論理的思考ができない人は多いから、これなら突破できない」と魔法界の弱点を突く興味深い場面である。
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ノーバート(ドラゴン)の移送
ハグリッドの小屋で大きくなりすぎたドラゴンを、ロンの兄チャーリー(ルーマニアでドラゴンを研究中)の友人たちに引き渡す計画があった。
ハリーとハーマイオニーが夜中に木箱を担いで最も高い天文塔の屋上まで登るが、帰りに透明マントを置き忘れてしまい、フィルチに捕まって各50点もの大減点を食らい、寮中で反感を買ってしまう。
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深夜の決闘
マルフォイがハリーに「真夜中にトロフィー室で魔法の決闘をしよう」と持ちかけるが、実はフィルチに密告しており、ハリーを退学させるための罠であった。
ハリー、ロン、ハーマイオニー、ネビルがフィルチから逃げ回るうちに、誤って3階の禁じられた廊下に入り込み、三頭犬のフラッフィーに遭遇する。
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ケンタウルスの詳細
森でハリーを救ったフィレンツェに対し、他のケンタウルス(ベインやロナン)は「運命に干渉すべきではない」「星の定めに逆らうな」と激怒する。
彼らが「火星が明るい(戦いが近い)」ことばかりを気にする、人間とは異なる価値観を持つ種族であることが強調されている。
2. 第2巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
1.映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の作品情報
| タイトル | ハリー・ポッターと秘密の部屋 (Harry Potter and the Chamber of Secrets) |
|---|---|
| 監督 | クリス・コロンバス |
| 公開年 | 2002年 |
| キャスト | ダニエル・ラドクリフ, ルパート・グリント, エマ・ワトソン, リチャード・ハリス, クリスチャン・コールソン 他 |
| ジャンル | ファンタジー, アドベンチャー, ミステリー |
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アーサーとルシウスの殴り合い
本屋でルシウスがアーサーのマグル保護法を嘲笑し、ウィーズリー家の貧乏をバカにしたことで、温厚なアーサーが激怒しルシウスに飛びかかる。
本棚に突っ込んで取っ組み合いの喧嘩になり、ハグリッドが片手ずつで2人を引き離す。
この時、ルシウスはジニーの鍋にこっそりトム・リドルの日記を忍ばせた。
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絶命日パーティー(デスパルティ)
10月31日のハロウィンに地下牢で開催されたパーティ。
腐った魚、ウジの湧いたハギス、カビだらけのチーズなどが振る舞われ(幽霊は腐敗臭が強いほど味を感じやすいため)、ノコギリで黒板を引っ掻くような音楽が流れる。
「首無し狩りクラブ」のリーダー、パトリック卿が登場し、ニックがクラブに入れないことをからかう。
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フィルチの秘密
ハリーがフィルチの部屋でクイックスペル(魔法が使えない人のための基礎講座)の封筒を見つけてしまう。
フィルチは自分がスクイブ(魔法族の家系に生まれながら魔法が使えない者)であることをハリーに知られたと勘違いし、激しく動揺する。
彼が生徒に厳しいのは、魔法へのコンプレックスの裏返しである。
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姿をくらますキャビネット棚の破壊
泥足で廊下を歩いてフィルチの部屋に連行されたハリーを救うため、ニックがピーブズを説得し、フィルチの部屋の真上にある貴重な姿をくらますキャビネット棚を床に叩き落として大音響を鳴らす。
これによりフィルチはハリーを放って飛び出していく。
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ペネロペ・クリアウォーターの襲撃
ハーマイオニーが図書館でバジリスクの正体に気づいた際、近くにいたレイブンクローの監督生ペネロペに鏡(角を曲がる時に覗き込むため)を持たせて一緒に移動していた。
そのため二人同時に石にされてしまう。
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ロックハートのバレンタイン
ロックハートの自己顕示欲を強調した場面。
校内をピンクの花で飾り付け、しかめっ面の小人にキューピッドの羽をつけさせて愛のメッセージを配達させる。
ハリーはジニーからの「目は緑のヒキガエルのように……」という恥ずかしい歌を大広間の前で歌われ、マルフォイに嘲笑される。
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ノクターン横丁での会話
アーサー(魔法省)による違法魔法アイテムの家宅捜索を逃れるため、ルシウスは毒薬や呪われた品をボージンに売りつけに来る。
その際、「息子(ドラコ)の成績がマグル生まれの女(ハーマイオニー)より悪いのは恥だ」とドラコを厳しく叱責する様子が描かれている。
3. 第3巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
1.映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の作品情報
| タイトル | ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (Harry Potter and the Prisoner of Azkaban) |
|---|---|
| 監督 | アルフォンソ・キュアロン |
| 公開年 | 2004年 |
| キャスト | ダニエル・ラドクリフ, ルパート・グリント, エマ・ワトソン, ゲイリー・オールドマン, デヴィッド・シューリス, マイケル・ガンボン 他 |
| ジャンル | ファンタジー, アドベンチャー, ミステリー |
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ダイアゴン横丁での夏休み
ハリーが家出してから新学期が始まるまでの数週間、魔法界の商店街で自由に過ごす夢のような時間が描かれる。
「フローリアン・フォーテスキュー・アイスクリーム・パーラー」の店主が、ハリーの中世の魔女狩りの宿題を手伝いながら、30分ごとに無料のサンデーをご馳走してくれる。
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忍びの地図の作成者たち
悪戯仕掛け人(マローダーズ)の正体が結びつく爽快感が原作の醍醐味である。
「ムーニー」は満月に吠える狼男のルーピン、「パッドフット」は犬の肉球を持つシリウス、「プロングス」は角を持つ牡鹿のジェームズ、「ワームテール」は虫のような尾を持つネズミのペティグリューとなっている。
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ジェームズの動物もどき
ルーピンが狼男に変身する孤独で苦痛な時間を和らげるため、ジェームズ、シリウス、ピーターの3人は3年がかりで極めて高度な動物もどきの魔法を習得し、動物の姿になって一緒に叫びの屋敷で過ごしていた。
これは魔法省の未登録の違法行為であった。
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スネイプの深い憎悪の理由
スネイプは学生時代からジェームズたちが夜に出歩く秘密を探っていた。
それを利用したシリウスが、満月の夜の叫びの屋敷への入り口(暴れ柳の根元)をスネイプに教え、彼を狼男(ルーピン)と直面させようとしていた。
ジェームズが危険に気づきスネイプを引き戻したが、スネイプは「ジェームズは自分が退学にならないために助けただけだ」と信じ、シリウスの殺意を一生恨むことになる。
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ファイアボルトを巡る騒動
シリウスからクリスマスプレゼントとして届くが、シリウスがハリーを狙っていると信じられていたため、ハーマイオニーが独断でマクゴナガル先生に報告。
箒は呪いの検査のために分解されかけ、激怒したハリーとロンは数ヶ月間ハーマイオニーと口を利かなかった。
彼女が孤独に泣きながら図書館で過ごす辛い時期が描かれている。
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クィディッチ杯への執念
最終学年となるキャプテンのオリバー・ウッドは、「ディメンターが出ようがスニッチを捕まえろ。
死んでも捕まえろ」と狂気じみた指導をする。
決勝のスリザリン戦は反則の嵐となる凄惨な試合だが、勝利した瞬間にウッドが泣きながらハリーに抱きつく感動的なシーンがある。
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セドリックの高潔さ
ハッフルパフ戦で、ディメンターの襲撃でハリーが墜落した後にセドリックがスニッチを捕まえてしまう。
事態を知ったセドリックは激しく動揺し、自分の勝利に納得できず、クィディッチ・キャプテンとしての権限で「これは無効だ、再試合をしてくれ」と必死に申し立てる。
4. 第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
1.映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の作品情報
| タイトル | ハリー・ポッターと炎のゴブレット (Harry Potter and the Goblet of Fire) |
|---|---|
| 監督 | マイク・ニューウェル |
| 公開年 | 2005年 |
| キャスト | ダニエル・ラドクリフ, ルパート・グリント, エマ・ワトソン, レイフ・ファインズ, ブレンダン・グリーソン, ロバート・パティンソン 他 |
| ジャンル | ファンタジー, アドベンチャー, ダークファンタジー |
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屋敷しもべ妖精ウィンキー
魔法省の役人バーテミウス・クラウチのしもべ妖精ウィンキー。
クィディッチW杯の騒動時、透明マントを被ったクラウチ・ジュニアを監視していたが逃げられ、しかもウィンキーの持っていた杖から闇の印が打ち上げられてしまう。
クラウチは体裁を保つため彼女を無情にも解雇する。
ホグワーツに再就職したものの、主を失った悲しみでバタービール(妖精には強い酒)に溺れて廃人同然になってしまう。
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S.P.E.W.(屋敷しもべ妖精福祉振興協会)
ウィンキーの悲惨な扱いを見たハーマイオニーは、魔法界におけるしもべ妖精の奴隷制に憤り、「SPEW(Society for the Promotion of Elfish
Welfare)」を設立。
ロンやハリーにバッジを無理やり買わせる。
しかし、奉仕を喜びとする妖精たちにとって彼女の行動は大きなお世話であり、ホグワーツの妖精たちはグリフィンドール寮の掃除をボイコットする事態に発展する。
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ルード・バグマンと双子の借金問題
W杯の決勝戦で、フレッドとジョージは全財産を賭けて大穴(アイルランドが勝つが、スニッチはブルガリアのクラムが捕まえる)を当てる。
しかしバグマンが支払ったのは、数時間で消えるレプラコーンの金貨だった。
ゴブリンにも追われているバグマンは返済から逃げ回り、双子は1年間ずっと手紙を出して彼を追い詰める。
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ウィーズリー・ウィザード・ウィーズの資金源
セドリックが死んだ直後に受け取った優勝賞金1000ガレオンを、ハリーはどうしても受け取ることができず、ホグワーツ特急の中でフレッドとジョージのトランクに無理やり押し込む。
「君たちには笑いが必要だ」と言って、後の巨大ないたずら専門店設立のスポンサーとなる。
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リータ・スキーターの秘密
なぜか壁の向こうの密談や、湖畔のベンチでの会話が記事になる理由が原作では描かれている。
彼女は未登録のコガネムシの動物もどきであり、窓枠や髪の毛に留まって盗み聞きしていましたのだ。
ハーマイオニーがこれを見破り、割れないように魔法をかけたガラス瓶にリータを閉じ込め、1年間ペンを折る(記事を書かない)ことを条件に解放するという強烈な報復を行う。
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クラウチ・ジュニアの脱獄劇
アズカバンに入れられたジュニアを哀れんだ余命わずかの母親が、面会室でポリジュース薬を飲みジュニアと入れ替わり、そのまま獄中死して葬られた(ディメンターは目が見えず、感情しか感知できないため騙せた)。
その後、実家で服従の呪文をかけられ透明マントの生活をしていたが、徐々に自我を取り戻してW杯で逃亡し、ヴォルデモートと合流する。
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第三の課題の詳細な障害物
迷路はただの動く壁ではなかった。
ハリーは、相手の最悪の恐怖を見せるボガート、火を噴く巨大な尻尾爆発スクリュートと戦う。
さらに、クモのバケモノ「アクロマンチュラ」に遭遇し、スフィンクスからは「スパイ(Spy)+ダー(Er)=スパイダー(Spider)」という言葉遊びの謎掛けを出され、それに正解して道を譲ってもらう。
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シリウスの潜伏
逃亡中の身でありながら、ハリーを心配してホグワーツ近郊の山にある洞窟に、ヒッポグリフのバックビークと共に潜伏する。
ネズミを食べて飢えをしのぎながら、ハリーに暖炉経由や手紙でトーナメントを生き抜くための具体的なアドバイスを送り続ける、父親代わりとしての深い愛情が描かれている。
5. 第5巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
1.映画『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の作品情報
| タイトル | ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 (Harry Potter and the Order of the Phoenix) |
|---|---|
| 監督 | デヴィッド・イェーツ |
| 公開年 | 2007年 |
| キャスト | ダニエル・ラドクリフ, ルパート・グリント, エマ・ワトソン, イメルダ・スタウントン, ゲイリー・オールドマン, ヘレナ・ボナム=カーター, イヴァナ・リンチ 他 |
| ジャンル | ファンタジー, アドベンチャー, ダークファンタジー |
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聖マンゴ魔法疾患傷害病院への訪問
ナギニに噛まれたアーサーの見舞いで病院を訪れたハリーたちは、隔離病棟で衝撃的な再会をする。
記憶を失い自分のサインを配るおじさんになったロックハート、そして、ベラトリックスの磔の呪いで脳を破壊され、息子のネビルを見ても誰かわからず、ただ風船ガムの包み紙を無言で手渡すだけの両親の姿である。
ネビルがその包み紙を捨てずにそっとポケットにしまう描写は、シリーズ屈指の涙を誘うシーンである。
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クィディッチと「我らの王、ウィーズリー」
ロンは極度のプレッシャーに弱く、スリザリン生が「あいつは穴あきリングだ、あいつがキーパーならスリザリンの優勝だ」と嘲笑するオリジナルソングを大合唱するため、ミスを連発して自信を喪失してしまう。
しかし、ハリーたちが不在の最終戦でロンが覚醒して全シュートを止め、今度はグリフィンドール生が「あいつは何でもセーブする、我らの王ウィーズリー」とポジティブな歌詞に変えて大合唱し、ロンがトロフィーを掲げる。
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クィディッチ永久追放
スリザリンとの試合後、マルフォイがウィーズリー夫人やハリーの母親を最悪の言葉で侮辱する。
激怒したハリーとジョージがマルフォイをタコ殴りにし、それを見たアンブリッジが権力を乱用。
ハリー、ジョージ、そして止めに入ろうとしただけのフレッドの3人の箒を没収し、彼女の執務室の壁に鎖でつなぎ、永久出場停止処分を下す。
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ダンブルドア軍団(D.A.)の裏切り者
ハリーの初恋の相手チョウの友人、マリエッタ・エッジコムが、魔法省で働く母親の立場を守るために自らアンブリッジに密告する。
ハーマイオニーが参加者の署名簿にかけていた強力な呪いにより、マリエッタの顔面には醜い紫色のニキビで密告者 (SNEAK)という文字が浮き上がり、その後何ヶ月も消えることはなかった。
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スネイプの記憶の真相
ハリーが見たスネイプの記憶。
ジェームズとシリウスが、ただ退屈だという理由でスネイプにレヴィコーパス(体を逆さ吊りにする呪文)をかけ、下着を晒して嘲笑する。
それを見かねたリリーが「彼を下ろしなさい!」と助けに入るが、好きな女子に惨めな姿を助けられたスネイプは屈辱のあまり「不潔な穢れた血(マグル生まれへの最大級の差別用語)に助けてもらう筋合いはない!」と叫んでしまう。
リリーは静かに彼を見限り、二人の友情は永遠に失われてしまう。
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両面鏡の悲劇
休暇明けにシリウスが「ジェームズと罰則で離れた時に使っていた」と鏡の包みを渡していたが、ハリーは「シリウスに連絡したら彼が家から飛び出して捕まってしまう」と考え、包みを開けずにトランクの底に封印していた。
シリウスが死んだ後、ふとトランクを開けて鏡に気づき、「シリウス!」と絶叫するが、鏡にはハリー自身の顔しか映らないという、絶望的な後悔の念が描かれる。
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マクゴナガルの重傷
O.W.L試験の深夜、アンブリッジと魔法省の闇祓いたちがハグリッドを不当に逮捕しようと小屋を急襲する。
ハグリッドを庇おうとパジャマ姿で飛び出したマクゴナガルに対し、闇祓いたちは警告もなしに4発同時の気絶呪文を胸に撃ち込む。
高齢の彼女は命に関わる重傷を負い、聖マンゴ病院へ長期入院を余儀なくされる。
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神秘部の戦いの詳細
魔法省の地下深くにある神秘部には、予言の間以外にも魔法の謎を研究する不気味な部屋がある。
- 頭脳の間:水槽の中に人間の脳みそが浮かんでおり、ロンがそれに触れると、脳みそから思考の触手が伸びてロンの体に巻き付き、深刻なダメージを与える。
- 時間の部屋:デスイーターの頭部がガラスの鐘(時間を逆行させる装置)に突っ込み、顔だけが「赤ん坊→大人→赤ん坊」と無限に若返りと加齢を繰り返す奇怪な状態になる。
- 頭脳の間:水槽の中に人間の脳みそが浮かんでおり、ロンがそれに触れると、脳みそから思考の触手が伸びてロンの体に巻き付き、深刻なダメージを与える。
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予言のもう一人の候補
トレローニーの予言「7月が死すとき」の条件は、両親が不死鳥の騎士団員でヴォルデモートに3度抗ったハリーとネビルの2人に当てはまっていた。
しかし、ヴォルデモートは純血のネビルではなく、自分と同じ半純血のハリーを自分を脅かす存在として選び(マークし)、襲いかかったことで、ハリーに力を与え自ら予言を完成させてしまったという皮肉な事実が語られている。
6. 第6巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
1.映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の作品情報
| タイトル | ハリー・ポッターと謎のプリンス (Harry Potter and the Half-Blood Prince) |
|---|---|
| 監督 | デヴィッド・イェーツ |
| 公開年 | 2009年 |
| キャスト | ダニエル・ラドクリフ, ルパート・グリント, エマ・ワトソン, アラン・リックマン, マイケル・ガンボン, ジム・ブロードベント, トム・フェルトン 他 |
| ジャンル | ファンタジー, アドベンチャー, ダークファンタジー, 青春 |
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マグル界の首相との会談
イギリスのマグル界の首相が執務室にいると、暖炉からコーネリウス・ファッジ(と後任のルーファス・スクリムジョール)が現れる。
マグル界で起きた橋の崩落による大惨事やハリケーンはすべてデスイーターや巨人による破壊活動であり、さらに魔法省の役人がヴォルデモートに暗殺されたことなどを報告し、マグル界と魔法界の危機が完全に直結していることが示されている。
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ヴォルデモートの過去
- ゴーント家:スリザリンの直系子孫でありながら、純血を保つための近親婚で精神を病み、極貧のゴミ屋敷に住むマールヴォロと息子のモーフィン。
彼らはマグルの言葉を話さず、パーセルタング(蛇語)のみで会話していた。
- 愛の妙薬:虐げられていた娘のメローペ(ヴォルデモートの母)は、近くの屋敷に住むイケメンのマグルの青年、トム・リドル・シニアに恋をし、彼に愛の妙薬を飲ませて駆け落ちする。
しかし妊娠後、「もう薬を飲ませなくても愛してくれるはず」と薬を絶った途端、正気に戻ったシニアは彼女を捨てて実家に帰ってしまう。
- ボージン・アンド・バークスでの勤務:ホグワーツを首席で卒業したトム・リドルは、魔法省のトップエリートコースを蹴って、ノクターン横丁の闇の店に就職する。
そこで、裕福な老魔女ヘプジバ・スミスに取り入り、彼女が所有していたスリザリンのロケットとハッフルパフの杯を毒殺して奪い取り、しもべ妖精のホキーに罪をなすりつけた。
- 防衛術の呪い:力と知識を蓄えて容姿が人間離れし始めたトムが、ダンブルドアに闇の魔術の防衛術の教授職を要求する。
ダンブルドアがこれを拒絶すると、トムは報復としてその役職に呪いをかけた。
以後、数十年にわたり、1年以上同じ教師が務まったことはない。
- ゴーント家:スリザリンの直系子孫でありながら、純血を保つための近親婚で精神を病み、極貧のゴミ屋敷に住むマールヴォロと息子のモーフィン。
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フラーとウィーズリー家の確執
フランスの美少女フラーがビルと婚約し「隠れ穴」に滞在する。
しかし、彼女の「イギリスの料理は重い」「家が退屈」といった率直すぎる発言が、ウィーズリー夫人やジニーを激怒させる。
ジニーは背後でフラーの真似をして吐き気を催すふりをし、密かにヌラー(粘液、痰)というあだ名で呼んで毛嫌いする。
夫人はトンクスをビルの嫁にしようと画策する。
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ビルの怪我とフラーの真実の愛
天文塔の戦いで、ビルが凶悪な人狼フェンリール・グレイバックに襲われ、顔面を原型をとどめないほど噛みちぎられてしまう。
呪いによる傷は治らず、モリー夫人が「こんな顔になったら、結婚式は中止ね」とこぼすと、フラーが激怒。
「彼が顔を噛まれたからって、私が結婚しないとでも? 私がビルを愛しているのは顔じゃない。
私が二人分十分に綺麗だから問題ない!」と叫んでビルの傷口にキスをする。
この気高さにモリーは涙を流し、初めてフラーを家族として抱きしめ和解する。
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トンクスの守護霊の変化
持ち前の明るさを失い、髪もネズミ色になってしまったトンクス。
彼女の守護霊が、四足歩行の巨大な毛深い獣(狼)に変化してしまう。
これは、彼女がルーピンに恋をしているものの、ルーピンが「自分は貧しく、危険な狼男で、歳を取りすぎている」という理由で彼女を頑なに拒絶し続けているための深い悲しみが原因だった。
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ハリーとジニーのキス
クィディッチの決勝戦で、ハリーはスネイプの罰則で出場できなかった。
罰則を終えてグリフィンドールの談話室に入ると、優勝の熱狂の中、ジニーがハリーに向かって駆け寄ってくる。
ハリーは理性よりも衝動が勝り、大勢の生徒の前で、彼女を抱き寄せて熱烈なキスをする。
この瞬間、ハリーの胸の内にあったジニーへの恋心が咆哮を上げる。
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天文塔の戦い
映画ではマルフォイがデスイーターを引き入れ、ダンブルドアを殺害してそのまま立ち去るだけだが、原作では大規模な攻防戦が起きる。
ハリーから幸運の薬(フェリックス・フェリシス)を預かったロン、ハーマイオニー、ジニー、そしてネビルとルーナたちD.A.メンバーが、不死鳥の騎士団と合流し、暗闇の中で呪文が飛び交う激しい魔法戦を繰り広げる。
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ダンブルドアの壮大な葬儀
ホグワーツの湖畔で行われた魔法界最大規模の葬儀。
魔法省の役人、ホグワーツの生徒、騎士団メンバーだけでなく、湖から水魔が浮上して悲しみの歌を歌い、禁じられた森からはケンタウルスたちが追悼の矢を空に放つ。
炎が遺体を包み込み、その跡に真っ白な大理石の墓が魔法によって出現する、荘厳かつ涙なしには読めない名シーンである。
7. 第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』
1.映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』の作品情報
| タイトル | ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 (Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 1) |
|---|---|
| 監督 | デヴィッド・イェーツ |
| 公開年 | 2010年 |
| キャスト | ダニエル・ラドクリフ, ルパート・グリント, エマ・ワトソン, ヘレナ・ボナム=カーター, レイフ・ファインズ, アラン・リックマン 他 |
| ジャンル | ファンタジー, アドベンチャー, ダークファンタジー |
1.映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の作品情報
| タイトル | ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 (Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2) |
|---|---|
| 監督 | デヴィッド・イェーツ |
| 公開年 | 2011年 |
| キャスト | ダニエル・ラドクリフ, ルパート・グリント, エマ・ワトソン, アラン・リックマン, レイフ・ファインズ, マシュー・ルイス, マギー・スミス 他 |
| ジャンル | ファンタジー, アドベンチャー, アクション, ダークファンタジー |
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ダドリーとの和解
ヴォルデモートの脅威から逃れるため、ダーズリー家が保護団と共に家を離れる日。
バーノンやペチュニアが冷たく別れる中、ダドリーだけが歩み寄り、「僕は君がスペースの無駄だなんて思わない」と言い、ハリーと握手を交わす。
長年のいじめっ子が見せた成長と、不器用な兄弟愛の和解の瞬間である。
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ダンブルドアの真っ黒な過去
完璧な善人と思われていたダンブルドアの偶像が崩れ去る描写がある。
- 妹アリアナが3人のマグル少年に暴行を受けて心を壊し、魔力をコントロールできない「オブスキュリアル」のような状態になってしまう。
父パーシバルは報復としてマグルを襲撃し、アズカバンに収監され獄死した。
- 若き日のアルバス・ダンブルドアは、才能を持て余し、家族の介護に縛られる生活を嫌悪していた。
そこに現れた美青年グリンデルバルドと恋に落ち、「魔法族がマグルを支配するべきだ」という危険な思想に二人で熱中してしまう。
- それを止めようとした弟アバーフォースと3人で激しい決闘になり、その最中に発射された誰かの呪文がアリアナに直撃し、彼女は命を落としてしまう。
ダンブルドアは誰の呪文が当たったのかを知ることを生涯恐れ続けていた。
- 妹アリアナが3人のマグル少年に暴行を受けて心を壊し、魔力をコントロールできない「オブスキュリアル」のような状態になってしまう。
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ルーピンとの大喧嘩
グリモールド・プレイスに隠れているハリーたちの元へルーピンが訪れ、「一緒に分霊箱探しの旅に行かせてくれ」と頼み込む。
ハリーが理由を問い詰めると、トンクスが妊娠したことが発覚。
「自分のような狼男の血を引く子供が生まれるなんて最悪だ」と現実逃避するルーピンに対し、孤児であるハリーは「自分の子供を捨てて逃げるような男を、僕の父親は絶対に許さない!」と激怒。
ルーピンも怒りに任せて杖を抜き、ハリーを壁に吹き飛ばして立ち去ってしまう。
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ピーター・ペティグリューの最期
マルフォイの館の地下牢で、ワームテールがハリーの首を絞め殺そうとする。
息も絶え絶えにハリーが「僕が君の命を救ったはずだ」と絞り出すと、ワームテールの手に一瞬だけためらいが生じ、力が緩む。
しかしその瞬間、ヴォルデモートから下賜された銀の義手が持ち主の裏切りを感知し、ワームテール自身の首を無慈悲に絞め上げる。
ハリーとロンが必死に止めようとするが、義手は決して離れず、彼は自業自得かつ凄惨な最期を遂げる。
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クリーチャーの忠誠心
最悪の態度をとっていた屋敷しもべ妖精のクリーチャー。
しかし、ハリーから「レギュラス・ブラックが命を賭けてロケット(分霊箱)をすり替えた」という真実を聞き、偽物のロケットをレギュラスの形見として贈られたことで号泣し、態度が180度変わる。
ハリーたちのために毎日フランス風オニオンスープやステーキを作り、ホグワーツの戦いでは「主レギュラスのために!闇の帝王に立ち向かえ!」と叫びながら、肉切り包丁を持って屋敷しもべ妖精の軍団を率いてデスイーターの足首を切り裂きに突撃する。
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テディ・ルーピンの誕生
ホグワーツの戦いの直前、ルーピンが「男の子が生まれた。
トンクスの父親にちなんでテッドと名付けた」と歓喜の報告に来る。
髪の色を自由に変えられる七変化の能力を引き継いでおり、ルーピンはハリーに「君に名付け親になってほしい」と頼む。
ハリーはかつてのシリウスと同じ立場になったことに深く感動する。
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フレッド・ウィーズリーの死の詳細
魔法省に傾倒し家族を捨てていたパーシー・ウィーズリーが、ホグワーツの戦いの最中に戻ってきて「自分が馬鹿だった」と家族に謝罪する。
戦闘中、パーシーがかつての上司に向かって「私は辞表を提出します」という皮肉な冗談を言う。
堅物のパーシーが冗談を言ったことに驚いたフレッドが「兄さんが冗談を言うなんて、いつ以来だ…」と笑顔を見せた瞬間、デスイーターの爆発呪文が壁を吹き飛ばし、フレッドはその笑顔を顔に貼り付けたまま命を落とす。
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レイブンクローの談話室とマクゴナガル先生
レイブンクローの髪飾りを探すため、ルーナと共に談話室に向かうハリー。
扉のワシのノッカーから「先か、それとも後か?(鶏が先か卵が先か)」という哲学的な問いを出され、ルーナが「円には始まりがありません」と答えて入室する。
その後、デスイーターのアミカス・カローがマクゴナガル先生の顔に唾を吐きかけたのを見て、ハリーは透明マントを脱ぎ捨て、「なるほど、ベラトリックスが言っていた通り、本気で思わないとダメなんだな」と冷酷に呟き、純粋な怒りをもって磔の呪いを完璧に成功させ、アミカスを気絶させる。
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ヴォルデモートの最期
映画では魔法使いの頂点としてドラマチックに灰になって消滅するが、原作ではこの結末が根本的に異なる。
ハリーの武装解除の呪文(エクスペリアームス)によって跳ね返った自身の死の呪い(アバダ・ケダブラ)を受けたヴォルデモートは、ただの死体となって床にドサッと倒れ、普通の人間と同じように惨めに転がったと描写さる。
死を恐れ、神になろうとした男が、結局はただの人間トム・リドルとして死んだという、J.K.ローリングが最も伝えたかった皮肉とテーマが込められている。
彼の死体は、大広間の他の死者たちとは隔離された小部屋に放置された。
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ニワトコの杖の行方
映画ではハリーが杖を真っ二つにへし折って谷底に投げ捨てるが、原作ではもっと敬意のある終わり方となっている。
ハリーはニワトコの杖の強力な魔力を使って、ゴドリックの谷で折れてしまった自分自身のヒイラギと不死鳥の尾羽根の杖をレパロ(直れ)で完全に修理する。
その後、「自分は自然死するつもりだ。
そうすれば杖の力は僕の死と共に消滅する」と言い、ニワトコの杖をダンブルドアの白い墓の中に静かに戻す。